スイングの時に筋肉を意識しますか? ~バッティングに筋トレが不要な理由~

バットを振る時に筋肉を意識しますか?

「バッティング」と「筋トレ」の関係について、ご質問が多数寄せられております。

・バッティング時に意識する筋肉はどこなのか
・バッティングによってどこの筋肉が発達するのか

といった類の質問です。

また、以前の記事『筋トレをするその前に ~遠くに打球を飛ばすために筋トレが意味をなさない理由~』という記事でも賛否両論ありました。

「筋トレ」がバッティングにおいて不要だという意見に対して、批判がくるのもそもそもの前提が違うことがあります。

現在の野球界で常識とされているスイングにおいては、もしかすると「筋トレ」によってバッティングの成績がよくなったケースも存在しているのかもしれません。

しかし、そもそも常識とされているスイング自体が非効率だったとしたらどうでしょうか?

例えば、「テイクバックをとる」ことを良しとしてきた野球界に、「テイクバックをとらない」ことがこれからの常識となった場合に、今までの「筋トレ」が必要であるかどうか。

この辺りの詳細については本日の記事とそれるため、過去の記事を参照ください。(『テイクバックは必要ありません ~テイクバック不要論~』)

「takebat.com」でお伝えしていることは、現状の話をしているわけではなく、これからの野球の常識について議論の場になるように記事を記しているので、この考えを前提に読んで頂けると嬉しいです。

本題に戻ります。

まずバッティングによって意識する筋肉というのはありません。また、どこの筋肉がどのように発達するのかも厳密に言うとありません。

と言いますのも、そもそも「筋肉を使って打つ」という捉え方をしないと言う意味です。

筋トレが不要という理屈はこことも直結していきます。

筋トレの時とバッティングの時の違い

筋トレというのは、特定の筋肉を意識し、その筋肉に集中しながらトレーニングを行います。

しかしバッティングの動作においては、このような形態の動きはまず存在しません。

このような形態というのは、特定の筋肉に意識をしないということです。

それもそのはずです。

どの分野のスポーツにおいても、「動作」というのは特定の筋肉で行うものではありません。

あくまで、各筋肉や関節の連動によって力が生み出されています。

「筋トレ」というのは、この連動と言う観点からは真逆のトレーニングで、動作の連動を阻害する可能性を高めます。

右打者の場合のスイング時の筋肉の動きをみていきたいと思います。(左打者は反対にして考えてくださいね。)

まずスイングを開始する時、右腕の前面、左肩の後ろから肘の外側にかけての筋肉群が動きます。

それと同時に下半身は、右の内転筋群のエリア、左の腰から股関節周辺のエリア、お腹の内部のエリアなどの筋肉群が動きだします。

その後、バットを加速させていくにあたっては、両腕の肘の後方エリア、広背筋群が動き、下半身で言えば、膝から下のエリアなどが動きだします。

そしてもっと厳密な話をすれば、使っていると言われる筋肉も、その筋肉の中で使われる場所と使われない場所も存在するため、「〇〇筋肉の一部」といったような表現が適切だと思います。

このように見ただけでも、特定の筋肉を鍛えることによって得られる効果というのは、しれていることを感覚的にも理解できないでしょうか?(本来は一つ一つ勉強して頂きたいですが。)

バッティングによって発達する筋肉とは

そして、バッティングによって発達する部分はというと、人それぞれ異なってきます。

それもそのはず、スイングのフォームは人それぞれなので、そのフォームによって異なってきます。

とはいえオーソドックスなスイングフォームであれば、前腕、上腕三頭筋、大胸筋、前鋸筋、腹筋、背筋群、大腿二頭筋、などの発達が目立ってくるでしょう。

しかし、これもあくまで一般論です。

全ての人にあてはまることでもありませんし、適切なスイングというのが人それぞれである以上、全員にあったバッティングを良くするための筋肉なんてありません

しいていうなれば、横隔膜の筋肉をトレーニングすることで「呼吸法」を学ぶということは全員にあてはめることができます。(『打者にとって最も大切な筋肉は腕や脚なんかではありません ~バッティングに大切な筋肉~』)

これらのことを、様々な巷に出ている書物などを見てみると、個別の筋肉のトレーニング方法が出ていると思います。

しかし実際のスイング動作を考えた時に、個々の筋肉が別々に動くことはは全くないと思ってください。

一番、分かっているのは選手自身ではないでしょうか。

筋肉が収縮するのは、神経からの情報伝達があって動きます。この情報伝達を無視しないような筋トレができるのであれば、それは有効的手段となると思います。

様々なトレーナーや医師、PT、OTなどとも話してきましたが、そのような理想的な筋トレはありませんでした。

ありきたりな定番のトレーニング方法しか存在しない上、そもそも「動作」という「連動」の観点が抜け落ちているため、創造しようという気配すらありません。

トレーニングというカテゴリーから抜け出せていないという現状があります。

しかし、これからの野球のトレーニング形態は一新されてくるでしょう。

自分の体は選手自身が一番分かっているはずです。

そして、このように情報が得やすくなった現代から考えて、自分で選択していくことができます。

野球界の常識がスポーツ界の非常識であることが次々と明るみになっていくことでしょう。

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