投手心理が分かれば勝負はついたようなもの
みなさん、バッターボックスに入った時、何を考えていますか?
また、バッターボックスに入る前は何を考えているでしょうか?
さらに言えば、試合に入る前には何を考えていますか?
打者がバッターボックスに入るまでには様々な情報を得たうえで、様々なことを考えて、バッターボックスに入るものです。
ここで一つ考えて頂きたいことが、
打者がやらなきゃならないことって何でしょうか?
答えは簡単ですね。
投手を打ち崩すことですよね。打ち崩すとは何もホームランを打つだけではなく、状況に応じたバッティングをすることも含まれます。
要するに、自由自在なバッティングができるかどうかが打者に求められることでしょう。
では、そうすればそんな自由自在のバッティングができるのでしょうか。
様々なポイントはありますが、かなり大きな要素になるのが
投手の心理
です。
投手が何を考え、どんな変化球を投げるのか、何をされたら嫌なのか、そんなことをすべて理解できたとしたら、かなり優位な立場をとることができます。
そんな投手心理をマルハダカにしてしまう、秘儀ともいえる投手心理記事を全3話に分けてご紹介していこうと思います。
第参話:打者と対峙中の投手心理
第参話:試合中の投手心理
でわ、連載記事の最終話である第参話として、打者と対峙した時に投手が何を考えているのか、考えていきたいと思います。
結局はこの連載は第参話のためにあるといっても過言ではありません。実際に投手と対峙した時に、投手が何を考えているのか理解するための伏線にすぎません。
では、本題に。
打者と、投手の心理は、基本的には相反していることがほとんどです。
その相反する心理の中で、投手のミスを誘うことで、甘い球を痛打することが打者のセオリーです。
言い換えれば、ミス投球が少ない投手ほど苦戦するということですね。
ケーススタディ:No.001
さて初球です。
ベースとして考えなければいけないことは、投手は是が非でもストライクが欲しいです。基本的に有利なカウントを築いていきたいものです。(という心理を逆手にとる投手もいますが、そういう投手には別の対策が必要です)
初級時に投手が考えることは、あなたの弱点を狙って投球してきます。
弱点とは何も、苦手なコースという意味ではなく、その性格まで選択肢は多岐にわたります。
あなたが積極的な打者であれば、きわどいところ、しかし消極的な打者であれば比較的真ん中に近いところを投げてくると思います。
なぜなら基本的にはストライクが欲しいからです。
ではあなたはこんな時にどのような待ち方をすればいいでしょうか?
それは
80%以上ヒットにできる可能性があるボール
を待つことです。
ケーススタディ:No.002
初球はストライクで見逃しました。0ボール1ストライク、投手有利なカウントです。
このケースでは、投手の心理としては読みやすく、最悪1ボール1ストライクになってもいいようにきわどいところ限定で攻めてくることが多いでしょう。
でも実はこのカウントはあなたにとってチャンスなんです。
投手の軌道も1球目ですでに見極めているはずなので、ミス投球が来ればヒットになる可能性は高くなります。
初球よりもストライクゾーンを若干広げ、かなりきわどいコース意外はフルスイングすることです!自分の好きなコースや失投は絶対見逃したくないところです。
ここで逆にそんな球を見送ってしまうと、仮にボールだとしても精神的ダメージは残りますし、ストライクだとかなり窮地に追い込まれることは必至です。
ケーススタディ:No.003
きわどいコースでしたが、若干外れボールに。1ボール1ストライク、平行カウント、打者と投手は五分五分の状態です。
こんな時の投手心理は、次の1球はストライクをとりたいが、甘い球にはしたくないという心理です。
ここで考えられる投球内容は、空振りもしくはファールに出来るボールを投げることです。
つまり力の入った速球、やきわどいコースへの変化球などが来る可能性が高くなります。
この後、打者である、あなたが有利な状況になるケースは、2ボール1ストライクの打者有利のカウントにすることです。
エースクラスの投手であれば、こういう精神的にプレッシャーのかかる場面でこそ本領を発揮してきます。
相手がそんな投手である場合は、1ボール2ストライクのカウントになるケースが多いですが、そうでなければ多くの投手の場合、プレッシャーに心理が負けて2ボール1ストライクとなるケースが多いので実は有利なカウント。
この平行カウントは相手投手がエースクラスであるのか、否かが、また試合を通じて投手がどのような精神的プレッシャーがかかっているかが、大きく状況を左右するカウントです。
ケーススタディ:No.004
大きく外し、ボール球に。2ボール1ストライク、打者に非常に有利なカウントです。
投手はとにかくファーボールを嫌います。投手は必ずといって良いほど、このカウントでストライクが欲しくなります。
こんな時はあなたは少し的を絞るのがおススメです。
このカウントは勝負のターニングポイントなので投手も決め球を投げるようにしますが、コントロールが悪い投手であればストライクが取りやすいボールを選択します。
相手は、どうやらコントロールには自信をもっていません。速球でおしてくるタイプのようです。(こらはその他のバッターや試合を通じて観察していればポイントに何を投げているかは分かるはずです。)
あなたはこのカウントでのボールで勝負しましょう。
さて、投手がボールを投げてきました・・・・
「・・・・カキーン!!!・・・・」
お見事、センター返しの見事なヒット!この勝負はあなたの勝ちです。
ミスを叩くが勝利の基本
これまで全三話を通じて投手の心理状況を考えてきたわけですが、様々な情報を駆使すれば「どこでどんな投球をするのか?」を予測することができます。
それは、自分の打席だけに関わらず、ほかのバッターの時や、練習前の風景、はたまた、違うチームとの対戦など、得ることができる情報は無限大にあります。
心理を探っていく上で、一番重要な考え方は、
ミスを誘導すること
です。
相手の投手のレベルが上がれば上がるほど、相手のベストな球を打ち崩すことは難しくなっていきます。
そんな時に、相手に如何にベストな投球をさせないようにするのか、または一球の失投をさせるために、どうやってプレッシャーを重ねていくのか、を仮に三振になろうと、アウトになろうとも考えなければいけません。
その結果、自分ではなく、4番バッターがホームランで逆転勝利、のようなストーリーでもチームが勝利すれば問題ありません。
ただ、一点、一番怖い投手というのも存在しています。
それは、
「何も考えていない投手」
です。
こちらがセオリー通りに投げてくるであろうと思っても全くとんでもないボールを投げてくる可能性をもった投手です。
実際こういった投手はいます。
そんな投手に出くわした場合は全て白紙にして
「来たストライクは全てフルスイング」
する方法で対応すれば早い段階で攻略できるでしょう。
もともと打者のことを考えないタイプの投手ですので、崩れるのも比較的早いです。
最後になりましたが、3回に分けて投手心理を打者側からどのように攻めていくと面白いのかということを伝えさせていただきました。
内容はあくまで一つの例であり、基本があればバリエーションはいくらでも創ることができます。
このように様々なシュチュエーションを考えていくのは、野球の醍醐味の一つでありますし、当たった時の気持ちよさは爽快そのものです。
反対に同じケースで外してしまうこともあるでしょう。しかし、それはあくまで新たにうまくいかないデータを手に入れただけです。
日々蓄えられていく経験をいかして、上達していくのが野球を次のステージで楽しませてくれる、良薬となります。
最終話から見られた方は、ぜひ、過去の記事もご覧になってくださいね♪