野球界でゴロを狙う理由に大した理由なんてない
ゴロを狙うにしても狙い方を間違っているアドバイスである上、上から叩くことが人間の身体の構造から考えて不自然であることを先ほどの章でご理解頂けたと思います。
ところで、そこまでしてゴロを狙いたい理由は何でしょうか。
恐らくかえってくる答えとしては、
フライよりもゴロの方が出塁率を高めることができるから
といった理由でしょうか。
フライだと捕球されれば終わりで、ゴロだと捕球→送球→捕球という３段階の工程が必要になるためエラーの確率を高めることができるという考え方だと思います。
この考え方は全てが間違いだとは言えませんが、ある大切な事実を忘れてしまっています。
それは
フライ性の打球が打てなければホームランを打つことはできない
ということです。
ゴロを打っている限りさく越えのホームランは一生打つことができません。
また、ある一定レベル以上になれば、相手の守備のエラーも期待がかなり薄くなってきます。
とはいえ、ホームランばかりを狙ってそんなに確率の低い野球はできないよ・・・と思われる方がたくさんいらっしゃると思います。
しかし、一度考えてみて欲しいことがあります。
それは
ホームランを打つための練習をしたことがあるかどうか
ということです。
ホームランは一般的に「才能で打つもの」と思われています。
確かに一部分では才能があることも否定しませんが、ホームランにはホームランの打ち方があります（『ホームランの打ち方』）。
大半の野球選手は、ホームランの打ち方を知らず、ホームランを打つ練習をしていないからホームランが打てないだけです。
また、指導者もホームランの打ち方を知らないため、ホームランの打ち方を伝えられていないだけです。
野球界でゴロを狙うバッティングに様々な根拠らしきものが存在していますが、その大抵のものに意味はありません。
むしろ狙ってゴロを打つバッティングは最も難しい技術の一つと言っても過言ではありません。
ただ皆が、ホームランの打ち方を知らないばかりに消去法としてゴロを狙っているだけにすぎません。
どれだけ打者が塁に出てもホームベースを踏まないことには何の意味もありません。
最も簡単に、そして確実に得点を入れる方法はホームランをおいて他にありません。