人間は力を込めた状態からでは100%の力を発揮できない
野球選手はスポーツ選手である前に、一人の「人間」です。
野球選手としてのパフォーマンスを高めるのであれば、野球の技術について考える前に「人間」としての身体の構造や特徴を考えましょう。
そこから野球の練習へとフォーカスしていくことで、効率的に自分の力を使った身体の使い方を考えていきましょう。
まずは「筋トレ」している時のことを考えれば分かりやすいので考えてみましょう。
「筋トレ」の最中に、もう限界がきているとしましょう。
「これ以上回数をあげることができない・・・もう限界だ・・・」という状態です。
そんな時に最大の力を発揮することをできるでしょうか。
できませんよね。
「ランニング」または「ダッシュ」の時も同様で、「これ以上走ることができない・・・」という時に、さらなるスピードアップをすることは不可能です。
この2例はできる限り極端な例ですが、
人間は限界に近づけば近づくほどそれ以上の力を発揮することは不可能
ということが分かります。
限界に近づけば近づくほど、人間の体は危機的なセンサーを働かせ、「もう動けないからやめてくれ・・・」、「これ以上やったらおかしくなる・・・」と訴えかけます。
しかし、極限状態に近づけばセンサーが働くものの、日常生活や辛いことをしていない状態であれば、そのセンサーは鈍感になっています。
鈍感になっているとはいえ、同様の減少が起こっていることに違いはありません。
つまり、
少しでも力が入っている状態から、何らかの「動作」をしようとすると発揮することができる力は減少する
ということです。
もっと簡単な言い方をすれば
少しでも力が入った状態になれば100%の力を発揮することができない
ということです。
ここから分かることは、
可能な限りリラックスした状態で「動作」をすることで最大限の力を発揮することができる
ということです。
これをバッティングについて置き換えれば、「構え」の段階で、不要な力が入っていればいるほど、本来発揮できる力は減少していくということが言えます。
しかし、ここで問題になるのは、「力を込めなければバットを持つことができない」、「人間にとってリラックスすることが最も難しい」ということです。
この2点を解決する方法については過去の記事に記しているので、そちらでご確認ください(『あなたはリラックストリガーロックって知ってますか? ~全てのバッティングの土台となる考え方~』)。