体幹が大切な理由を考えたことはありますか?
「体幹」は野球選手に関わらず、スポーツ選手全般に大切なものだと言われています。
最近では様々な体幹トレーニングが紹介され、みなさんも取り組んでる方が多いと思います。
体幹をトレーニングし、体幹を適切に使うことでパフォーマンスの向上が得られると言われています。
しかし、果たしてそれは正しいのでしょうか?
そして、なぜ「体幹」が大切なのか知っていますか?
なんとなく良いと言われているからやっているのであれば、たいした効果は得られていないことは間違いないでしょう。
体幹が大切であるということは大前提としても、現在の野球界で行われている体幹のトレーニングは不十分としかえません。
前提としてなぜ大切か考えていないことがはっきりと分かるようなトレーニング内容でしかないためです。
現在の野球界で体幹の捉え方は、体を輪切りにして見た時には、ほんの表面の一部をトレーニングしているにすぎません。
しかし、「体幹」は表面の筋肉以外にも様々な組織が存在して「体幹」を形作っています。
それにも関わらず、表層の筋肉にばかりにとらわれて、筋肉以外の組織がないがしろされてしまっています。
「体幹」が大切かどうかを考える前に、今の野球界での「体幹」の捉え方が間違っているため、どんなトレーニングをしていても大して効果は発揮していません。
「体幹」とは
体幹に骨盤の中や、内臓の入っているエリア、肋骨などを含むエリアなどで構成されており、表面の皮膚から、脂肪、筋肉くらいまでの層で終わっているわけではありません。
それなのに、その表面の一部しかフォーカスされず、そこをトレーニングすれば問題ないという考え方になっています。
こういう考え方は果たして理にかなって言えると言えるのでしょうか?
体の中での四肢と言われる腕や足は、体幹からの力の伝達に大切な役割を担っています。
しかし、四肢は体幹がなければ存在しません。
体幹も四肢も大切でお互いがお互いを頼りにし、それぞれが持ちつ持たれつの関係性です。
「体幹」がなぜ大切なのか
体幹がなぜ大切なのかと言うと、力の伝達を考えた時に大切な役割を担っているためです。
足が地面から受け取った力は、体幹に伝達されます。
そしてまた地面に返したり、それらの力を分散させて一つの動きを完成させます。
つまり、ハブ的な役割を担うのが体幹なのです。
ハブになるので、「体幹」がなければ力の伝達ができないという意味で大切なわけです。
決して、体幹をトレーニングしたからといって安定度が増すとは限りませんし、全くの無意味だったということもありえる話です。
安定性の話で言えば、地面と下半身の関係性があって初めて「体幹」が関係してくるためです。
ということは当然、上半身だけをトレーニングしても安定性は高まらないということはイメージしやすいと思います。
ちょうど、糸のついた風船の糸を地面に取り付け、上の風船をいくら固く強靭なものにしたところで風船はゆらゆらしますよね。
これと同様のことが起こっています。
動作のパフォーマンスを高めるのは筋トレではない
「下半身を鍛える」、「上半身を鍛える」、「体幹を鍛える」など個別に切り分けて考えること自体がおかしいということです。
スポーツ全般、もちろん野球選手においても、スポーツの動作というのは個別の筋肉がパフォーマンスを高めているわけではありません。
ましてや、体幹トレーニングとして、腹筋や背筋のトレーニングでどうにかなるものではありません。
どうやったらバランスが取れるようなトレーニングができるのか考える必要があります。
そして野球選手にとって必要なバランスでなければ意味がありません。
すべてを考えていけば、結局のところ素振りやシャドーピッチング、実際の投球動作などの中で必要な筋肉をつけていくところにいきつくのではないでしょうか。