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近年の高校野球でのめまぐるしい成長の裏側

十数年ほど前から高校野球でも球場の電光掲示板にスピードガンの計測値が表示されるようになりました。
私が高校生時代は、今から20年以上前のことではありますが、電光掲示板の球場も少なかったり、電光掲示板の球場でもスピードガンの計測値の表示などなされない時代でした。
社会人野球に進み、電光掲示板の球場で試合を行うと、スピードガンでの数値の表示がされた時のワクワク感は今でもよく覚えています。
一球、一球の指のかかり方具合などで、チラチラ電光掲示板を見ていたことを思い出します。

さて、近年の高校野球の投手について、スピードを追求する動きがとてもウエイトを占めているようです。
20年以上前では、140km/hそこそこのボールを投げられる投手は超高校級と言われてきました。
しかし、現在では、150km/h以上、160m/hのボールを投げる投手まで現れ始めています。
これには、従来のトレーニング方法に加えて、最新のトレーニング方法を取り入れたり、食事の変化など、様々な要因が起因しているとは思いますが、ここで待ったをかけたいことがあります。
それは

「投手はスピードボールを投げることが仕事ではない」

ということです。

スピードボールは投げる側も見る側もとても興味があり、投手にとっては魅力的なことかもしれません。
プロ野球選手になる大きな基準としてもスピードボールは大切な要素でしょう。
しかし、投手はスピードボールを投げることが仕事ではありません。
投手の仕事とはなんでしょう?これはとても簡単です。

「点を取られないこと」

これが投手の仕事なのです。
究極な話、コントロールが悪くても、良くても、スピードボールを投げられても、投げられなくてもとにかく点を取られなければいいのです。
点を取られない限り負けはないのです。
これが守りの鉄則です。

反対に、スピードボールをいくら投げれようとも、投げれなかろうとも、コントロールが良かろうが悪かろうが、点を取られてしまうような投手はいつになってもなかなか勝てないのです。
そして仕事をしていないということになるのです。
プロ野球界がなぜ、スピードボールに基準を絞っているのかというと、確かに速いボールは打ちにくい、打ち損じる可能性が大きい、ということがあります。
打ち損じる可能性が高いということは抑えられる可能性も高まっているということになります。
しかし、バッティングマシーンの普及によって、今では160km/hを超えるようなスピードボールでも簡単にヒットにされてしまいます。
それでもなお、スピードボールを投げられる投手は魅力的なのかというと、これは

「集客」

なのです。

プロ野球も経営ですので、どこかで利益を得ていかなければなりません。
そして、末長く継続させるためには利益を追求していかなければなりません。
そうなった時、

「超高校級の高卒ルーキーが165km/hのスピードボールを投げる」

という見出しはとても観客動員という収益見込みがたつという話です。
もちろん、勝利という絶対条件は外せません。
強いチーム、何か特徴のあるチームにファンは増えますので、ここは外せない要因ではありますが

「話題性」

ということも一つの収益のポイントなのです。

私が何が言いたいのかというと、

「話題性」

に利用される投手ではなく

「勝利など」

の数字に残る投手になってほしいと思うことです。
なぜかというと、話題性は年俸になかなか反映されません。
勝利などの数字を残せば年俸に反映されますので交渉もしやすくなります。
野球選手といえども大半は30歳代で引退です。
稀に40歳代、50歳までできるなんてことはまずあり得ないでしょう。
そんな中、将来的な生きていく資金を蓄えたり、老後に生きていくためにも、ある程度のストックを残すことは必要です。
話題性だけで習慣的に花が咲いて、あとはダメだった、という選手も何人も見てきています。
とても悲惨です。
過去の栄光にしがみつき、「こんなはずではなかった」と悔やんでも悔やみきれないのです。

40歳近くまでと現役を継続できればまだいいものの30歳前後で引退し、社会になかなか適応できない方々も見てきましたし、耳にもします。
それはそうでしょう。
少年時代からチームではナンバーワン、中学校も、高校もナンバーワン、監督やコーチからも特別待遇で指導され、マスコミも騒ぎます。
思考も柔軟なこの時期にこのような環境で育ってしまいますし、学校の勉強などもスポーツ選手を目指さない同級生などに比べると足りていないでしょう。
年齢を重ねるごとに頭も硬くなりますから、簡単に方向転換をすることも難しいでしょう。

野球選手といえども社会人です。
そして野球をしてきた時間は人生を彩る少しのページを埋めるだけに過ぎないものです。
この少しのページに人生をかけてしまうことはあまりにももったいないと私は経験から思いました。
野球を辞めてから、生き生き幸せに生きている人もたくさんいます。
でも、地獄のような人生を送っている人も少なからずいることも事実です。
どちらの人生を選ぶのかはその選手次第ではありますが、まだまだ小さなお子様にはわからないかもしれません。
そして親の夢を押し付ける親もどうかと思います。
その子の人生ですので尊重してあげてほしいとともに、道しるべが必要なターニングポイントになったら親として道しるべを出してあげてください。
今、高校生、大学生で野球をされている方はもう自分で選択できる年でしょう。
野球人生よりも、本当の人生の方が長いです。
どちらで花を咲かせるかは自分自身の選択です。
これまでの有名な選手の今の状況を調べることができたなら、一つの指標にもできるのかもしれません。

これからの人生を謳歌できるように人生の選択をされてみてください。

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