バッティングは筋力があるから打球が飛ぶわけではない
バッティングの飛距離で考えてみれば、
ポイントになるのはインパクトの瞬間にどれだけ大きなエネルギーを伝達することができるかどうか
です。
もう一点あるとすれば、バットとボールが設置する角度が飛距離に大きな影響を与えますが、バットをあてる角度は技術論的なハナシなので別の記事をご確認ください(『ホームランの打ち方』)。
「力」だけにフォーカスすれば、エネルギーの伝達を効率的にできるような身体の使い方をすれば打球の飛距離や勢いを生み出すことができるということです。
それにも関わらず、筋肉に頼って「筋トレ」で飛距離を伸ばそうとすると、多少の変化があったとしても「筋トレ」によってエネルギー伝達が非効率になっていくため、すぐに結果がついてこなくなるでしょう。
そして先ほども触れたように故障リスクを高めることに繋がるため、野球の練習ができないことには飛距離を生み出すための方法を知っていた所で意味がありません。
これからの野球選手は自身の疲労回復を促進し、故障のリスクを減らし、常にパフォーマンスを最大化させておくことが求められます。
そんな中で、少し人体について勉強をすれば「筋トレ」の「動作」と野球における「動作」で求められていることにズレがあることをすぐに理解することができるでしょう。
また、バッティングだけに留まらず、野球におけるすべての「動作」には、力の伝達を効率化させることが求められています。
少なくとも1+1が2になるぐらいの身体の使い方を、むしろエネルギーを増幅させながら伝える方法を考えてみましょう。
基本的に「筋トレ」は各部の連携を断ってしまうものです。
さらに言えば「筋トレ」が、野球選手にとって不必要なことであることを理解することも大切なことですが、少なくとも本当に筋トレが必要なことなのかどうかを検証することだけはやっておきましょう。
プロ野球選手の大半が筋トレをしているからといって、全ての選手にとって必要なことであるとは限りません。
当然ながらプロ野球選手であっても、無駄な練習をしてしまっている可能性は常に存在していることをお忘れなく。