レベルスイングの罠
少年野球や、中学校野球を見ているとよく飛び交う言葉があります。
「上から叩け」
「ゴロを打て」
「レベルスイングだ」
「上げてはダメだ」
一度は皆言われたことがあるのではないでしょうか?
確かにゴロを打てば、野手の処理する工程が増えるため、ミスの可能性は高まります。そしてそれは、若ければ若いほどミスの可能性が高まっているので理に適っているように思われます。
しかし、いわゆる「レベルスイング」といわれるスイングにはある欠陥、大きな罠が潜んでいます。本日の記事ではその「レベルスイングのワナ」について解説したいと思います。
そのためには、まず考えなければならないことがあります。それは・・・
・ゴロを打つ必要は本当にあるのか
・打球を上げてはダメな理由とは
・レベルスイングとはなんなのか
ということです。
この3点を理解して、初めて「レベルスイング」を選択しているのであれば、理解できますし、理解していないのであれば、指導してはならないと考えています。
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バッティングにおいてゴロを打つ必要性
上から叩くというのは、視覚と、実際の動作の誤差を考えた時に必要な言葉であって、実際に上からボールを叩いたとしたらボールがバットにあたる確率は大きく下がります。
さらに指導者がそのように言えば、選手は一生懸命に上から叩こうと必死に頑張ります。それによって、打てていた選手が打てなくなるというケースがしばしばあります。
この辺の説明については過去に記したものがあるのでそちらをご確認ください。
「ゴロを打て」と伝えることも同様です。
「ゴロを打て」ということを本当にやらなくてはいけない時というのは、試合の中盤以降で、1アウトランナー2塁などで進塁打が必要な時くらいです。
あとは気持ちよくスイングできる形で思い切り打つ方がよっぽど結果がついてきます。
「上げてはダメだ」とういう指導についても同様ですが、選手は上げようとして上げているわけではありません。ボンフライを上げてしまいやすい理由を考えた上でのアドバイスが必要です。
決して進塁打のゴロを打つための練習を教えていては、一向に選手はよくならないでしょう。
試合には流れがあり、そのポイントを抑えることが大切なので、いつも通り一辺倒な戦略というのは意外と勝率を稼ぐことはできません。
つまり、試合の中で、ゴロを打つ必要性に迫られる瞬間があるというぐらいに過ぎません。ゴロを打つのが野球の全てではありません。