「体幹」は野球選手が思っている以上にもっと広いエリアのことを指す
「体幹」は上から順番に言えば、「斜角筋」、「肋骨周辺の筋肉」、そして忘れられ易いのが、「内臓」である「肺」、「心臓」、「肝臓」、「胃」、「膵臓」、「十二指腸」、「小腸」、「大腸」なども含まれています。
「腹筋」や「背筋」も「体幹」の一部であることは間違いありませんが、ほんの一部(そして上辺)でしかありません。
一部でも鍛える方がましだ!・・・という意見が聞こえてきそうですが、実は人間の身体というのは一部だけ鍛える弊害というものがあります(『筋トレがもたらす負の効果を知っていますか? ~野手の故障No.1「肉離れ」の正体~』)。
そのため「体幹トレーニング」と言われて、「腹筋」や「背筋」だけをイメージしてしまうのはとても危険なことです。
できるだけ体幹のエリアを大きく考え全体的な視点で捉える必要があります。
「体幹」は、大きなゴムまりをイメージすると分かりやすいでしょう。
そのゴムまりの全体を、くまなく使うことで、初めて「体幹」を使った「動作」ができていると言えます。
単純に腹筋や背筋を鍛えただけで体幹が鍛えられることはありえません。
腹筋や背筋を鍛えることは、体の「伸展・屈曲運動」の練習になる程度です。
身体を伸展・屈曲させるような運動は野球選手にほとんど必要がありません。
今ではスポーツ界でこんな「体幹」の知識は常識となっています。
それにも関わらず、野球界では未だに正しい身体の知識を学ぼうとさえしません。
そんな状況でも、現在のような人気を博するスポーツであることを考える、野球選手達が身体の勉強を始めればどこまで進化できるのか期待しか感じないのは私だけでしょうか。
野球の不人気や野球人口の減少など様々な問題が叫ばれている野球界ですが、いくらでも伸びしろを感じるのは私だけでしょうか。
野球選手が体の知識について学べば、体は効率よく、最大限に力を増幅させることがいくらでも可能です。
その始まりとして、今までの「体幹」の概念を切り替えて適切に捉えていきましょう。
野球選手にとって「体幹」が重要なことに間違いはありません。
ただし捉え間違ってしまっては意味がありません。
それは他の練習においても言えることです。