バッティングが上達したければボールの上を空振りできるか
では、精神的な考え方とは別に、この4月から猛練習を繰り返している選手たちに手っ取り早くバッティングを上達させる秘策をお伝えしたいと思います。
入学した高校によって一年生の立ち位置は様々です。
ボール拾いばかりで終わる場合もあれば、レギュラー候補として、どんどん練習をさせてもらえる場合もあります。
ボール拾いの場合は仕方がないとして、バッティング練習としてバッティングゲージに入れてもらうチャンスが来た時は最大限にアピールする必要があります。
こんな時は、なんとかアピールしてやろうと「打ち気」になってしまうでしょう。
しかし、ここでも先ほどの甲子園の例に同じく「気持ち」ばかりが早ってもいい結果が生まれるとは限りません。
高校に入学したての選手からすれば、中学時代な経験したことがないようなスピードのボールが飛んできます。
バットも重たいかもしれません。
思い通りのスイングができない中で未経験のスピードボールを打ち返さなくてはなりません。
悪条件しかそろっていない状況でしょう。
では、そんな悪条件下で結果を残すにはどうすればいいのでしょうか。
それは、
飛んでくるボールのやや上を空振りするイメージでバッティングすること
です。
始めは本当に空振りすると思いますが、何度か繰り返すうちに必ず当たるようになってきます。
ボールの下を空振りするのは簡単ですが、ボールの上を空振りするのは簡単ではありません。
意識で技術が必要になってきます。
さらにボールの上を空振りしていると、バットにボールが当たるだけではなく、バットの芯でもボールを捉えられるようになるでしょう。
人間の目には「錯覚」というものが存在しています。
簡単に言えば、目で見たものが100%正しくないということです。
さらに言えば、自分が思い描いているスイング位置も実際のスイング位置と異なっています(一流打者を目指す条件はこの誤差をうめること)。
今回ご紹介した「ボールの上を空振りする」方法は、この人間の特性を逆手にとった方法です。
目で見た認識と現実との誤差を強引に埋める方法です。
初めは難しいかもしれません。
しかも空振りを目指すなんて非常識すぎて怖さがあるかもしれません。
しかし試しにやってみましょう。
どれだけ空振りをしても全力フルスイングでボールの一個上を空振りしましょう!