野球選手は野球選手である前に人間です。
なぜ靴底ができるだけフラットな形がいいのかを考えていく時、人間本来の機能を考えていけば一つの答えに行き着くことができます。
人間とは本来、裸足で地球に対して直立して立つ生き物です。
そこから、くるぶしの前側に体重をかけていき、その力が足の骨を伝わり、股関節へと力を伝達していくことで動き出すことができています。
その後は股関節へと伝わったエネルギーが背骨によって分散され、さらに上半身へと抜けていきます。
これが本来の力の分散、伝達経路だと考えられています。
この力の伝達経路でかかとが高いシューズを履くとどのようなことが起きるでしょうか。
足の裏側から入った力は、足の甲側や足首へと流れ力の伝達が途切れます。
力が上手く伝わらずパフォーマンスの低下だけが起きるならまだましで、力が遮られるということは遮った部分に高負荷をかけます。
つまり、負荷が集中してしまい、回復が難しくなり疲労が蓄積されます。
その結果は故障や怪我です。
疲労骨折や腱膜炎、捻挫といった故障が増えるでしょう。
その反対に、足を怪我や故障してしまった選手に靴底がフラットなシューズを履かせると治癒が早まる(というより本来の状態に戻る)傾向にあります。
これも実測値をはかっていけば分かることなので、今後調査していきますのでご期待ください。
とにもかくにも、力学的要素や人体の構造を考えると、靴底はよりフラットでクッション性の低いものを選んだ方がパフォーマンスにおいても故障リスクを下げる上でも最適でしょう。
間違っても故障をしてしまったからといってクッション性をより高いものへと交換していくと悲惨な結果しかまっていないでしょう。
そもそも人間は素足で生きていたものなので、靴を履いている時点で非自然的な行為をしているということを考えていけば全てのことが分かりやすくなるのではないでしょうか。