闇雲にやる練習の無意味さはチーム単位でも言えること
上記のように練習によって安心感を得ようとする行為は、個人レベルだけでなく、「チーム」という単位でも同様のことが起きています。
勝てなかったら練習時間を増やし、練習の日数を増やすことで安心感を得ようとします。
しかし、これでは決して勝てる「チーム」にはなりません。
「負けた理由はなんなのか」、「負けにつながったプレーはなんだったのか」、「負けにつながった原因はなんだったのか」を、選手一人一人、チーム全体が「考え」、「悩む」ことで答えを見つけていかなくてはなりません。
そして答えらしきモノが見つかったら、それを練習し、試合で同様のミスが出ないようにすることで「勝つチーム」に進化していきます。
それでも上手くいかなかったら再び悩み、行動しながら再び検証する・・・という途方もない作業を繰り返さなければいけません。
そんな時のヒントは
練習を足すばかりではなく、引く(やらない)という考え方を持つこと
です。
現在までの野球界の練習はとにかくオーバーユーズ(身体の使いすぎ)の傾向が強すぎます。
単純に身体のコンディションが整うだけでもパフォーマンスが大きく向上する選手やチームがたくさんあります。
これは、私自身が治療家として各スポーツ選手を見てきた中で、野球選手の下半身などが一際目立って疲労していることを目の当たりにしてきました。
「走る」ことが専門の陸上選手よりも下半身が疲労しているなんておかしいですよね。
疲労はパフォーマンスの低下だけでなく、故障のリスクを高めていることは言うまでもありません。
故障してしまえば、どんな素晴らしい練習をしても一瞬で水の泡になります。
水の泡になるだけならまだましで、選手生命を終えてしまうことだってあります。
一瞬の「安心」を得るために「練習量」で紛らわすことは、最終的には何の「安心」にもつながることはありません。