甲子園ベスト4を果たした野球強豪校のエースに訪れた不幸な結末
昨日の記事にて『甲子園を目指す高校野球が野球選手としての未来をつぶす』という高校野球がシンプルに「野球の上達」を見た時、少しずれた所にあることをお伝えしました。
本日は、より具体的なハナシを交えて、具体的にどうずれているのかをお伝えしたいと思います。
約25年ほど前、夏の甲子園でベスト4に入ったある高校がありました。
しかも同校は、初出場でした。
それにも関わらず、あれよあれよと勝ち上がり、逆転劇を重ねでのベスト4まで勝ちあがるという奇跡を起こしました。
その後、同校のエースは有名な大学に進学しました。
しかし結論から言えば、そのエースはその後、日の目を見ることはなく、同級生や指導者から悪評を得ることになります。
それは決してサボったり悪事を働いて悪評を得たわけではありません。
彼が同級生から受けた評価は以下のような内容でした。
・素質はすごかったが、1から10までを指示されないと練習ができなかった
・自分で良し悪しの判断ができないため具体的に話が進まない
・パチンコと酒の毎日で、それが良いことかどうかすら判断できない選手だった
なぜ、甲子園ベスト4にまで昇りつめた超高校級のエリート投手がこのような評価を得るようになってしまったのでしょうか。
実はこの投手が特別なハナシではなく、野球界において彼のような経験をする選手がゴロゴロいます。
これは紛れもなく、高校までの野球と、それ以降の野球における大きな違いを示しています。
その違いとは、
高校生以降の野球は完全なる自己責任の世界で戦うことになる
という点です。
自分で考えて自分で行動し、自分で道を切り開いていかなければなりません。
本来は、野球選手である限り、高校生以下の状態であっても自己責任の世界に身を置いているはずなのですが、どうしても日本の野球の環境が自己責任の世界をぼやけさせてしまっている現状があります。
>次のページ:甲子園ベスト4の野球選手を不幸へと導いた高校野球界の問題
ページ: 1 2