最短距離とは何なのか
バットが最短距離で出るといいとよく言われますよね。
でも、みなさん、こんなこと考えてみたことありますか?
最短距離で出ると良いの?
そもそも最短距離ってどういう意味?
意外とこれを、適切に説明できる方って少ないのではないでしょうか?
そこで、今回はこの「最短距離でバットを振る」ことについて記していきたいと思います。
以前記した記事の「野球のバッティング技術を向上させるなら、剣道の面打ちが効果的」でも触れたように、バットは最短距離で出るのが理想的です。
◆野球のバッティング技術を向上させるなら、剣道の面打ちが効果的
そんな最短距離でバットを振るイメージを掴む上で、剣道の「面」をイメージすることをおススメしたわけです。
では、「最短距離をバットで振る」というのはどういうことなんでしょうか。
簡潔にいうと「最短距離をバットで振る」とは、
ボールを捉えるポイント(インパクト)に対してバットの芯ができるだけ直線的に向かうこと
です。
ではこれが正しいのか検証してみたいと思います。
ポイントは「できるだけ」「直線的に」という点で、言葉の通り最短距離だと問題があるという点です。
最短距離といっても最短距離ではない??!
バットが最短距離ででるとイイような気がします。無駄が無さそうですし、変な力も加わっていないような気がします。
しかし、これを正確に行うと、まず打てないと思います。少なくともかなりミートする確率は下がると思います。
えっ・・・、最短距離がいいんじゃないの?!
と思われた方、少し冷静になって考えてみてください。
仮に、バットを言葉のまま最短距離で出したと過程します。
ボールの軌道に対して、バットはインパクトの瞬間を目がけて進んでいきます。
そしてボールとバットが当たる瞬間はというと、一点のみになってしまいます。これは、ボールの芯とバットの芯がぶつかる可能性が極端に下がることを意味しています。
バットを最短距離で出すための意識を持って打つということは非常に重要です。
しかし、バットを最短距離で出すことを正確に実現すると、投手が投げたボールの軌道に突然バットを入れることに他なりません。
当たる確率を考えれば、投手の放ったボールの軌道とスイングの軌道が直線的になることが理想です。
この
軌道を直線的にしたうえでの最短距離でのスイング
というのが理想とされています。
そうすると、ボールは重力により若干、落下しながら飛んでくることを考えると、
右打者であればヘッドは下がり、右肩も下がり、左足は踏み込んだ状態で、当たったボールの軌道はホームラン軌道
となることが理想だと言えます。
バットが最短距離ででるといい理由とは、バットを最短距離で出す意識だけを持ちながらバットをボールの軌道に対して直線的に出した時、打球をホームラン軌道に乗せることができる点においてメリットがあるという意味です。
間違っても本当に最短距離では出さないことを強くおススメいたします。