過去の自分の動画や画像を見ても参考にならない理由
では、なぜ過去の自分の動画や画像を見ても意味がないのでしょうか。
その理由は、
実際の体の動きと、自分が「動かしている」という感覚にはかなりの誤差があるから
です。
この誤差を理解した上で、その誤差を埋められる選手は、「動画」や「画像」を見る練習は有効的と言えます。
しかし、そんな高度な練習ができる選手は一握りです。
大半の選手は、「動画」や「画像」をみてしまうと、「意識」と「現実」とのギャップに翻弄されてしまいます。
この「意識」と「現実」のギャップは簡単な実験で体感することができます。
オーバースローの投手であればサイドスローで投げようとしてみてください。
いきなりサイドスローを実現できる選手はほとんどいないでしょう。
元の投げ方と大差はないか、スリークウォーター気味になる程度です。
それでも本人はサイドスローをしたと思っています。
その後、何度か繰り返していくうちにサイドスローへと調整していくことは可能でしょう。
さらに、過去の「動画」や「画像」を見ることに、根本的な欠陥も存在しています。
それは、
同一人物であっても、一日前の自分の身体は別人
ということです。
打者が最も追求しなければならないことは、「自分の身体にあったスイングでインパクトの瞬間に100%の力をぶつけること」です。
この「自分の身体にあった」という所がポイントで、「自分の身体」は日々進化(退化)しています。
つまり「自分の身体にあったスイング」は日々変化しているということです。
その変化こそが「調子の波」をつくっているといっても過言ではありません。
「自分の身体に合ったスイング」をし続けるためには、日々変化していなければ対応できないということです。