大会直前の「調整」練習に意味はありません
人間は集中すること自体が困難で、「維持」することはさらに困難です。
特に「維持」という面に関しては、訓練してもそれほど「集中を継続できる時間」に変化は起きません。
そのため、野球のパフォーマンス面において、年間を通してのベストな状態を維持することは不可能といっても過言ではありません。
野球の練習時間を考えると、他のスポーツに比べて極端に長く、拘束時間も長いことから、「肉体的」にも「精神的」にも疲労が蓄積されます。
大会の1週間ほど前からは、練習時間が短くなり「調整」という練習を行い、大会を迎えるような流れになっている所が大半でしょう。
しかし、ここで考えて頂きたいことがあります。
その「調整」とは何のために行うものでしょうか?
「調整」とは、
大会で現在の自分の力を100%が発揮できるか否かが焦点となり、試合で結果を出すために行う練習
です。
そのためには、
練習時間を短くし体を休めることではない
はずです。
体を休めることが必要な選手もいれば試合前日ギリギリまで「投げ込み」や「振り込み」が必要な選手もいます。
つまり人それぞれで「調整」方法が異なるはずです。
さらに言えば、「調整」に関わらず普段の練習も人それぞれ変わっていて当たり前です。
人それぞれに合った練習ができれば、普段の練習も効率的に行うことが可能になり、練習時間の短縮なることで疲労を蓄積せずに済むはずです。
すると疲労という観点から考えても「調整」という練習期間は不要になります。
しかし、チーム事情等もあるため、非現実的な話かもしれません。
ということであれば、毎日、自分の身体としっかり会話をし、サボる日があってもいいと思います。
「サボる」という言い方は適切かどうかはわかりませんが、「体力の回復」に当てる練習日や、体を酷使し鍛える練習の日などのメリハリを個人でつける必要があります。
自分で自分の身体のことを理解することができれば、大会にベストコンディションで挑むことはそれ程難しいことではありません。
また、人によっては大会以前に、レギュラーを獲得するための練習試合など、その人のポジショニングにあった大切なタイミングも存在しているはずです。
日々の練習に一生懸命になりすぎて、大会などの大切な日に疲労が蓄積されて、自分の思ったようなパフォーマンスが出せないといいような選手は少なくはありません。
そのため、どうすれば自分のベストが出せるのかを常に考え、日々の練習に取り組むことが必要です。
今日の練習は常に目標とする大会のための練習です。
決して今日のための練習ではないことを肝に銘じて行うようにしてください。