水分補給はこまめな方がいいのか?
最近の野球の現場では、ウォーターボトルをグランド各所に置いておき、ことあるごとに水分補給をする光景をよく目撃します。
野球に関わらず、あらゆるスポーツの現場では「水を飲みなさい!」「熱中症になるからとにかく水を飲め!」というのが最近の定説ではないでしょうか。
しかし、一昔前は「水は飲むな!」「飲んだらバテる」の時代がありました。
野球をしているのは昔も今も人間ですよね? それなのにこの変貌に違和感を感じないのは私だけでしょうか?
さて、では水は飲んだ方がいいのか、飲まない方がいいのか、実際のところどっちなんでしょうか。
答えは、
どっちもよくない
です。
まったく飲まないという状態が良くないのは、最近のイメージのおかげもあって浸透しているかと思いますが、実はこまめな水分補給というのも身体にはよくありません。
現在の水を積極的に飲ませる文化における恐怖をご存知でしょうか?
それは、
『体の冷え』 と 『水滞』
という身体に悪影響を及ぼす現象です。
水を飲みすぎると体が冷える
体が冷えることはどういうことなのでしょうか。しかも真夏なのに体が冷えちゃうのでしょうか。
そうなんです、真夏であろうが体は冷えます。
水分補給をしすぎると、真夏の炎天下、体の表面は暑いにもかかわらず体内が冷えてしまいます。
さらには胃に水が溜まりすぎてしまいます。胃に水が溜まりすぎていると「水滞」と呼ばれる状態になり、様々な体の不調の原因になります。
つまりは、パフォーマンスの低下も招きます。
「熱中症対策だけできれば問題ないから」という考えだけで行っている対策が、ほかの問題を生んでいるという事実は無視されてしまっています。
さらに言うと、「水を飲ませる習慣」が始まっても熱中症で倒れる小中学生や高校生がたいして減ってはいないという事実をご存じでしょうか?
単純に水が要因ではないことが示唆されています。
では、どんな水分補給がいいのでしょうか。
水分補給は人それぞれ
水分補給の量を決めるのはとても簡単な判断基準があります。
それは、
飲みたいときに飲めばいい
です。
人間の身体というのは、とてもバランスよくできています。
水分が必要な時には、水分が必要であるという身体のシグナルを本人が感じられるようにできています。
そのタイミングに水分補給をすればいいわけです。そして、それは、人によってタイミングが異なって当然です。
テレビで、マスコミや医者が言うから、ということを100%信用してそれを徹底するのは短絡的すぎます。
人の体は100人いたら100人が異なります。100通りの水の飲み方があるということです。
つまり一つの方法が効果的であった人が存在しても、他の人には通用しないこともあれば、効果的な反面、マイナスの要素も合わせてもっているのが世の常です。
そんな単純に解決するようなことはないのではなでしょうか。
今していることは選手のためになっていますか? ライン作業のように当たり前になっていませんか?
常にいろいろ考えた上で、試行錯誤を繰り返し、一人一人を見ていくことが大切だと私は思います。