甲子園ベスト4の野球選手を不幸へと導いた高校野球界の問題
先ほど例にあげた甲子園ベスト4の投手の高校時代のハナシをしたいと思います。
彼の高校の監督はとても怖いこで有名でした。
また、全国的にも有名な監督だったため逆らえるわけもなく、全てが正しいことを言っているような気分にさせられます。
さらに25年も前の話なので、監督が選手を殴る、蹴るなんていうことが日常茶飯事の時代です。
それらの暴力に耐え抜いてこそ一流になれると皆が思い込んでいた時代のハナシです。
もちろん彼も例外ではなく、練習や試合で何らかの失敗をすると、監督のユニフォームが血で真っ赤に染まるほど殴られ、蹴られという暴力を受けていました。
その結果が甲子園ベスト4をいう奇跡を呼び起こしました。
ただしその代償として
選手が自分自身では何も判断できない指示されたことしかできないロボットを生み出した
ということに誰も気づいていませんでした。
さて、このエースの事例は今の時代では考えられないかもしれませんが、監督や指導者の対応が変わっただけで現在でも根本的な所は変わっていません。
選手たちは監督やコーチからの指示を待ち、言われたことを全力でこなすことに懸命になり、もしサボっているようであれば暴力ではなくレギュラーから外す除け者のような措置をします。
これらを指導者は人間教育と呼んでいるのかもしれませんが、本当に人間教育ができているのでしょうか。
その人間教育は
人から言われたことをできるだけ高いクオリティで実践できる教育
でしかありません。
甲子園ベスト4という結果は成功に違いありませんが、その後の選手たちの野球人生は苦境に追いやられてしまいます。
まだ野球人生が終わるだけであればましなハナシで、社会に投げだされてしまえば指示待ち人間に生きていく道はほとんどありません。
野球界は伝統的に指示待ちの自分で考えられないロボットのような人間を生み出してしまう傾向にあります。
目の前の結果を求める上では、指導者からすれば言うことを聞く人間の方が扱いやすくて楽でしょう。
しかし、
本当の意味で彼らの野球人生を考えるのであれば別の道があるのではないか
と思うのは私だけでしょうか。
それは野球人生だけに他ならず、人間として社会で生きていく上でも必要不可欠な要素でもあるでしょう。
結局のところ、プロ野球選手で活躍しているような選手の高校時代を聞いていると、やんちゃでワガママ、人の言うことなんて聞いていない選手ばかりだったりします。
とはいえ練習をしていなかった・・・という話とは別なので勘違いはしないようにしてください。
自分で考え、自分で検証し、自分で改善を加えていくという決断を自分自身でできる人間が、野球選手としても勝ち、人生でも勝っていくことができるのではないでしょうか。