手首が強ければ打球は飛ぶのか?
よく強い打球を打つ選手をみて、「リストが強い」なんて表現することありますよね。
確かに、リストが強いと、投手のボールの勢いに打ち負けないような気がします。
でも、これって本当のことなのかどうか、考えてみたことってありますか?
タイトルからお察しの通り、
物理的に考えると、リストと打球の相関関係はありえません
ボールが飛ぶというのは、バットとボールがぶつかった時の強さと、ボールの角度、空気抵抗などによって決まります。
決して手首の強さでは決まりません。
「リストが強くてボールを弾くように打つからよく飛ぶ」と言われることから、肘から手首の間の筋肉を筋トレで一生懸命鍛えている選手をみかけます。
そんなことすると怪我しますよ!といつも言いたくなってしまいます。
筋肉には筋肉にあった働きがある
手首の筋肉は他の筋肉に比べ細長く、それほど力が出る筋肉の種類ではありません。
体というものを全体的に捉えた時、力が出せるように作られているところ、力は出せないが安定性をはかるように作られているところなどがあります。
それは人が日常生活を送るに当たって、またスポーツ選手がそのスポートを行う上で、適応するように作られています。
そのため、しっかりと人間の構造を理解した、筋肉の使い方をしなければ簡単に怪我をしてしまいますし、技術の向上もはかれません。
手首が太く強そうに見える、握力が強い、といった選手が結果を出していたからといって、他の選手に同様の練習をさせることは非常にナンセンスです。
その選手はもっと違う要素によって結果が出ているのであって、手首はそれらの一部にすぎません。
結果をだした選手にあったスイングの結果、リストが太くなったり、そもそも身体の体質上、太かったりしているだけです。
10人いれば10通りの練習方法がある
単に、リスト練習を批判するために今回の記事を書いているわけではありません。
何が言いたいのかというと、短絡的な要素で練習するのではなく本質を見極める必要があるということです。
結果をだした選手は、
・なぜリストが強くなったのか?
・リスト以外の部分はどのようになっているのか?
などいろいろ考えるところはあります。
その他の用をも検証した上で、他の選手への落とし込みを行うべきです。
10人の選手に対しては10通りの指導方法があって当たり前です。
1種類の教え方しかないのであればそれは非常に問題です。
定説だけに頼るのではなく、一人一人の特性にあった練習方法が考案され、一人でも多くの選手が大好きな野球を長く一線でプレーできることを願っています。