野球選手がたくさん食べると弱くなる?
野球選手はよく食べます。
そして野球選手は必ずよく食べさせられます。
食べなければ身体が大きくならないと言われ、無理をしてでも食べられる胃袋をつくれと指導されます。
かくいう私も高校時代にはたくさん食べさせられました。
高校2年時の夏の甲子園が終わった時点では73キロだった体重が、たった3ヶ月で86キロまで増えていました。
もはや食べることが練習のような状態でした。
結果で言えば球速が140km/hを超えるようになったものの、今では体重を無理して増やす必要はなかったと後悔しています。
実は、食べ過ぎることで人間は弱くなる一面を持っています。
何かメリットを得れば、何かデメリットが発生するのが人間の身体です。
練習すればするほど上手くならないのと同様に、食べれば食べるほど体が強くなるわけではありません。
たくさんの食べ物を食べると体で何が起きているのでしょうか。
人間は食べ過ぎると
胃腸への負担が高まっている
状態になります。
例えて言えば、常に食事や栄養を取り続けていると、胃腸は永遠と筋トレを続けているような状態です。
想像しただけでも大変な状態だと思わないでしょうか。
もちろん人間なので、栄養を取らなければ生きていけませんが、それにしても胃腸を休めてやることも大切です。
人間にとって胃腸は最も大切な臓器の一つです。
身体を作り、身体を守っていく上で、胃腸が果たしている役割は甚大です。
そんな臓器を慢性疲労させる環境を高校野球界は作り上げています。
一生が80年だったと考えた時に、たった約2年半の高校野球時代に、これだけ大きな負担を体にかける必要はありません。
そして、食べても、食べても、体が大きくなるだけで、それが野球選手にとって高いパフォーマンスを発揮することを保証されるわけではありません。
目の前のパフォーマンスが結果的に私のように上がったとしても、それはたまたまで長くは続きません。
私のケースで言えば3か月前までは73キロの体重に耐えていればよかった身体の関節が、たった3ヶ月で86キロの体重を支えなくてはいけない状況に追い込まれました。
人間の身体は徐々に適応していくものであって、たった三ヶ月では適応することができません。
たくさんの食べ物を摂取して身体を大きくすることは、瞬発的な能力を高めても、身体や内臓への負担を考えれば、結果的に身体を弱くしているに等しい行為です。
短絡的に考え、また何も考えることなくがむしゃらにやるのは、これからの野球選手にとっては危険だと早く気づきましょう。