盗塁の確率を高めたければ相手を観察し続けろ
【1】のカウントで言えば、捕手が捕球してから投げにくい態勢になってしまうようなボールが来るタイミングを選びましょう。
となると、その投手の癖や特徴、性格、そして捕手のそれらの性格も考えていなければ分かりません。
【2】のリードは分かりやすいですよね。
できるだけセカンドベースに近づくことが必要です。
牽制の癖を見抜いていれば、リードは大きく取れますし、足が速いこととリードの戻りが速いことは全くの別物です。
【3】のスタートに関しては【2】のリードと近く、投手の癖やベンチワークの癖を見極めればスタートをとってもいい確率が分かるはずです。
もちろん場面によって投手がランナーへの意識を欠いている時もあります。
【4】の捕手への牽制とは、投手と捕手のいつものリズムを崩してやることです。
そのためには、投手や捕手、その他の野手を含め、相手チームの様子を観察し、必要な情報を集められる能力が必要になってきます。
相手チームのリズムを崩してやれば、牽制球のミスや、捕手の悪送球、野手の補給ミスやカバーミスを誘うことができます。
つまり、
盗塁は相手チームを観察する能力があれば確率を高めることができる
ということです。
相手チームを全く観察していない足の速い選手と、相手の弱点を見抜く能力に長けた足の遅い選手であれば、圧倒的に足の遅い選手の方が盗塁を成功させるでしょう。
足が遅い選手で有名だった落合選手は毎年1つは盗塁を決めていたことを見ると、プロの世界でさえ観察能力があれば盗塁を決めることができるということです。
足が速い選手は、次々と盗塁を試みる経験を蓄積していくために、感覚的に盗塁に対する「勘」を高めることができています。
ただそれらの「勘」を言語化できる人はさらに高見へと能力を高めることができます。
これらは何も盗塁だけに関わらず、野球におけるすべてのプレーに通じる考え方です。
野球選手は身体的な能力を向上させることに考え方が向かいがちですが、身体の仕組みやルールの仕組み、試合の流れや人の感情など目に見えて分からない変化に目を向ければノビシロはいくらでも存在しています。
野球は様々な関係の中で一つのプレーが完結しています。
それらの関係性を紐解けば、自分優位な形でプレーを進めることが可能になり、全ての勝敗はどちらに優位な形を創り上げることができるかどうかです。
ただし、これらのハナシは足が速い人の方が盗塁の確率が低い、高いといった話ではないことをお気をつけください。