野球選手として上達しないトレーニングはいらない
冒頭でも述べた通り、どれだけ素晴らしいと言われているトレーニングであったとしても、野球技術の向上につながらないトレーニングは野球選手には不必要です。
先ほどご紹介したような苦しいトレーニングの大半は野球技術の向上に結び付きません。
なんだか強くなったような気がするだけです。
野球を実際に経験してきた人であれば、周囲に身体能力は高いのに野球で結果が出ない選手を実際に目の当たりにしてきたはずです。
稀に苦しい練習が上手くいって野球選手として結果を残す選手も現れます。
しかし、そんな選手は全体の1%以下でしかありません。
そんな1%以下にしか当てはまらない方法を全体に当てはめても上手くいくはずがありません。
苦しいトレーニングの大半は、求める「結果」の焦点がずれてしまっています。
野球を上達するために練習しているはずなのに、いつしか長距離走のための、MAX値を上げるためだけのトレーニングになっています。
いくら長距離走が速くても野球が上手くなるわけではありません。
いくらベンチプレスが重いものを持ち上げられても、たくさんの回数を持ち上げられたとしても野球選手として上達するわけではありません。
こういった記事を書くと「そもそもの基礎体力や高いパフォーマンスに見合うだけの身体能力(出力)が必要だ」といった批判があります。
しかし、基礎体力も身体能力も一般人レベルであっても野球選手として成功することはできます。
ただ誰一人も検証がなされてこなかっただけです。
野球界は前例がないからと恐れずに、根本的な部分から練習内容を見直すべき時がきています(『野球選手としての「強さ」の定義~トレーニングでどう強くなりたいのか~』)。