バッティング上達の肝は目で見たものを信じないこと

バッティングの動作は既に過去のものだからズレて当然

なぜ目の認識と脳の認識にズレが生じるのかと言うと、一つの要因は「時間の誤差」があります。

打者がバッティングする時に人間の身体が処理する情報は、投手が投じたボールを目で認識した後、脳でその情報を処理し、運動神経系を介して各運動器官に指令を伝達し始めて行動に移り始めます。

移り始めた頃にはボールが次の位置へと移動しているため、また新たな情報を処理することになります。

神経の処理速度は圧倒的なまでの速度を誇るものの、上記の処理(本来はもっと複雑ですが)を行っていることを考えれば、認識した瞬間と行動している瞬間には必ず「時間の誤差」が生まれます。

もっと簡単に言えば、

脳が認識してから運動神経を介して各運動器官が動き始めるまで時間がかかるため、脳が認識した状態はすでに過去のこと

だということです。

とはいえ数秒単位のハナシではなく、極めて少しの過去です。

しかし、脳が過去の情報を元に認識していることを考えれば、冒頭の問題は解決されます。

つまり、

過去の認識を元に動作(バッティング)を行っているため誤差が生まれていて当たり前

だということです。

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バッティングの肝は脳の認識の誤差と実際の動作の誤差にあり

ここで勘の良い方はお気づきのことと思います。

それは、

バッティングの肝は脳の認識の誤差と実際の動作の誤差をどれだけ埋められるか

ということです。

バットでボールを的確に捉えられる打者(つまりは「好打者」)は、意識的か無意識化は別としてこれらの誤差を限りなく無くしている打者です。

脳で認識した状況に加えて、未来を予測する勘と、その的中率が高くなるとバッティングのパフォーマンスが高まります。

では、そんな「脳の認識」と「実際の動作」の誤差はどうすれば埋めることができるのでしょうか。

答えは一つしかありません。

それは、

反復練習をすること

です。

なぜ、どのようなスポーツでも反復練習が必須になってくるのかの要因は認識のズレを埋めるためにあります。

反復練習は、決して辛い思いをさせる罰ゲームではありません。

また、動作を身体に覚えこませる要素よりも、自分の「脳の認識」と「実際の動作」の誤差を確認するために行うものです。

さらに、誤差は人により個体差が存在しているため、人から教えられるものではありません。

自分自身の感覚で掴み取っていくしかありません。

今までは、なんの考えなしに繰り返し練習していた練習も、本日の記事の要点である「脳の認識と実際の動作の誤差を埋める」という観点を持って練習すれば大きな変化があることに気づくはずです。

打者である限り、バットにボールが当たらないことには何も始まりません。

かといって当てに行くだけでも意味がありません。

始めは空振りばかりでも構わないのでフルスイングで「脳の認識と実際の動作の誤差を埋める」バッティングができるようになりましょう(『バッティングでフルスイングするのは難しいって知っていますか?』)。

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