バッティングは昔の選手の方が良かった部分もある
野球選手のバッティングは昔に比べると大きく変化してきています。
5、6年の範囲で見れば変化は若干だとしても、もっと長いスパンで見れば大きく変化してきています。
下記の写真をご覧ください。
数々の歴代の有名な選手の構え方の画像です。
昔の選手と、今の選手の決定的な違いがあります。
どのような違いがあるかお気づきでしょうか。
それは、
グリップの位置
です。
昔の選手は、グリップの位置が低くあるのに対して、最近の選手に近づくほどグリップの位置が高くなっていきます。
では、このグリップの位置が異なることでどのような違いが生まれているのでしょうか。
グリップ位置がある重要な動作に関わってきています。
それは、
テイクバック(予備動作)の有無
です。
昔の選手は、グリップの位置が低いため、「テイクバック」ができない、あるいは少なくしなくてはスイングがそもそもできない位置にグリップがあります。
反対に、現代の選手は、テイクバックが取りやすい位置にグリップがあります。
いつからこのような変化が生まれたのでしょうか。
近年であっても、好打者であれば、グリップの位置が高くてもテイクバックを取ることはありません。
つまり、
バッティングにおいてテイクバックはとらない方がいい
ということです。
この「テイクバック不要論」に関しては本題とそれるため別の記事をご確認ください(『あなたが打てないのはテイクバックをとっているから』)。
この「テイクバック不要論」が正しいとすれば、現代の選手はわざわざ「テイクバック」をとりやすいフォームをしているため、調子の波やわずかな変化に影響をうけやすい状況をつくっていることになります。
それにも関わらず、何があったのか皆が一様にグリップの位置を高く構えるようになっています。
さらに昔の選手の構え方の利点として、
グリップ位置が低いため、ボールの軌道に対して、線で捉えやすい
ということがあります。
簡単に言えばアッパースイングだったということです。
これは、単に昔の方がすごかった・・・と懐かしむような話ではありません。
現代の方が道具の性能やトレーニングの質、食料環境を考えれば、身体は大きく筋力も優秀になっているはずです。
しかし、「身体の使い方」とう観点では昔の人の方が勝っているのではないでしょうか。
昔の選手が、上達するためには、すべてを自分で研究し、自分の体からの情報をしっかりと解釈する必要がありました。
今までのように情報を調べれば手に入るような時代ではありません。
効率的な身体の使い方は人それぞれ異なるため、本来は自分自身で発見していかなければならないものを、画一的な情報でまとめてしまっているのが現代です。
全体的なポテンシャルを高める結果にはつながっているのかもしれませんが、とびぬけた選手は中々うまれません。
この記事は決して昔の選手を賛美するような記事ではなく、「身体の使い方」という面においては、昔の選手の方が優秀なので要素を取り入れて現代風にアレンジするように考えようという趣旨で記しました。