イギリスサッカー「ウェルドストーンFC」若き天才トレーナー/奥村正樹氏インタビュー
大人気の「ADLIFE INTERVIEW FILE」がとうとう「野球」の垣根まで超えました。
本日は、イギリスのサッカー界「ウェルドストーンFC」で活躍中の若き天才トレーナーである「奥村正樹」氏にインタビューして参りました。
あなたは、「サッカー」のことだから関係ないと考えますか?
もし仮にそう考えたのであれば、あなたはまさしく野球界の頭を使わない世界にどっぷりつかってしまっています(野球界は進化をやめている??!~思考停止状態続の関係者続出中~)。
しかし、最先端を行く野球選手の多くは、今までの既成概念をとっぱらって効果的なトレーニングを様々な分野から取り入れています。
間違いなく自分で考えない選手は取り残されていってしまう時代が来るでしょう。
自分の頭がどれだけ柔らかい状態にあるのか確かめる意味でも、「奥村」氏の話を素直に聞いてみましょう。
「奥村」氏は日本人で初めてプレミアリーグを制覇した「岡崎慎司」氏にも認められた若き天才トレーナーです。
確かなヒントが散りばめられていることに気づくことでしょう。
語り手:奥村正樹氏(ウェルドストーンFC)
聞き手:大竹一彰(株式会社ADLIFE)
サッカーのことを知るなら、世界を知らなければはじまらない
-サッカー経験を含め自己紹介を簡単にお願いします。
「日本体育協会公認アスレチックトレーナー」、「国家資格」である「鍼灸師資格」を持っている「奥村正樹」です。
世界の「サッカー」を勉強するために、「イギリス」に留学をし、本場のサッカー環境に触れてきました。
私は神奈川県出身の現在25歳ですが、小学校から始めたサッカーは高校まで続け、その後は「トレーナー」の道を目指して「鍼灸師」の資格と、「アスレチックトレーナー」の資格を取得しました。
ちなみに、小学校の時は野球のリトルリーグにも所属していました。
-海外に行こうと思った理由を教えてください。
「サッカー」は世界的な「スポーツ」です。
そんな世界の人々を熱狂させるスポーツが大好きで、プレイヤーとしての道は途絶えてしまったとしてもなんとか「サッカー」に携わっていたいという思いがありました。
そこで「トレーナー」としての活動を考えたところ、日本だけではなく世界を見なくてはいけないと思い、海を渡りました。
やはり「サッカー」において「日本」は、先進国とは言えない状況ですから。
私は英語が得意ではなかったので、将来的なことを考えた時、クリーンな英語を学びたいと思い、サッカーの本場でもあるイギリスに行こうと決意しました。
始めは期待と不安でいっぱいでしたが、今はこのイギリスで将来的に頑張っていこうと感じています。
イギリスのプレミアリーグで活躍中の「岡崎慎司」選手や「吉田麻也」選手とも交流があるので、「プレミアリーグ」で活躍する選手達のコンディショニングができるようなトレーナーになることを目標にしています。
下部組織のリーグでも身体へのケア意識の高さを感じる世界のサッカー
-実際にトレーナー活動をしている所属チームのことを教えてください。
イギリスでは6部リーグの「ウェルドストーンFC(Wealdstone-FC)」というチームでトレーナーを行っていました。
「日本」で6部リーグと聞くと、「あるのかないのかどうなの?」みたいな位置付けになります。
しかし、「イギリス」では6部リーグといっても、「クラブハウス」付きの「ホームスタジアム」があり、試合には多くのサポーターがかけつけるといったとても恵まれた環境でプレーすることができます。
日本では考えられない環境ですね。
トップリーグのプレミアリーグとまでなれば、それは破格の待遇だと言えます。
-「日本のサッカー」と「海外のサッカー」を経験されて、どのような違いがあると感じますか?
サッカー大国である「イギリス」のチームとなると、素晴らしい「トレーナー」が勢揃いなんだろうなと思っていったのですが、実状は違っていました。
6部リーグということもあるのですが、良い「トレーナー」に出会うことができるのは幸運なことであると考えられています。
「チーム」によっては、「ドクター」と提携している所もありますが、やはり「プレミアリーグ」に比べれば雲泥の差でした。
しかし、それでも驚愕なのは、日本のJ2や社会人リーグよりははるかに環境がよかったことです。
6部リーグの環境でもここまで充実しているのであれば、イギリスという国がサッカーが強いことは納得がいきます。
選手自身が身体のコンディショニングの重要性を理解しているのだと思います。
怪我をしてしまっては、いくら練習をしようともすべてが水の泡になってしまうのですから。
野球界は確かな知識をもって語られる機会が少ないのではないか。
-「サッカー界」から見て「野球界」はどのように映りますか? また改善すべき点などはありませんか。
「サッカー」は、「試合の日程」から「練習の日程」まで、世界的に統一された方式を取っています。
例えば土日に試合をして月曜日はOFF、火曜日から徐々に週末に向けて調整していく方法は世界中で一定的に保たれています。
練習方法に関しても世界のトレンドに乗って練習していくため、最先端の練習方法を世界中で取り入れる傾向にあります。
反対に野球界の練習のイメージは、昔からの練習を押しつけるように見えます。
これでは、身体能力が高い選手が比較的多い野球選手でも、埋もれてしまう選手が続出する危険性があると思います。
また、「サッカー」にはたとえ父親であっても、「D級ライセンス」という「ライセンス」があり、指導をするならば最低限の知識を学ぶようにと指導されます。
日本の野球界にもこのような「ライセンス制度」を設けることで選手が守られる部分があるでしょう。
日本の「スポーツ界」では、野球に比べて後発に当たるので、野球界の改善点などを取り入れて業界を作っている所もあると思います。
そのため、野球選手がサッカー選手に学べることはたくさんあるはずです。
-奥村さんのサッカーでの怪我・故障の経験があったら教えてください。また、その時の改善方法は何をされましたか。
「サッカー」は他のスポーツに比べ「足」を使うスポーツなので「捻挫」が最も多い怪我の一つです。
私も例外なく「捻挫」を良くしていました。
幸い「骨折」等の大きな怪我はありませんでしたが、「サッカー」選手は「捻挫」が多いのが特徴です。
「捻挫」には「アイスバス」の中で「スクワット」をしたり、「カーフレイズ」などをしていました。
神経的に痛みを軽減した上で、血流を促進させ、「血腫」を軽減させたり、「治癒」の促進を図ったりしていました。
-野球選手に対しておススメのケア方法や対策などがあれば教えてください。
例えば、「肩」や「肘」を故障してしまった時に、ひたすら走っているイメージがありますが変化をつけた方がいいでしょうね。
「足」の使い方は「野球選手」よりも「サッカー選手」の方が上手いのは当たり前です。
そのため、「サッカー選手」の足の使い方などから、「サッカー選手」が行う「足」に関する練習を取り入れてみてはどうでしょうか。
「野球選手」では、鍛えていなかったような「筋肉」を使うことで、「怪我」が回復した後にパフォーマンスが良い方向に必ず向かうと思いますね。
伝統というキレイな言葉で片づけてはいけない
-最後に「takebat.com」に関して一言頂けますか。
野球界を変えて行こうという思いがとても伝わるサイトだと思います。
「サッカー界」から「野球界」を見ると、今の野球界には「大きな壁」のような存在を感じます。
「伝統」と言えば聞こえはいいのですが、それだけでは片づけられないような問題がある気がします。
そんな中で、「takebat.com」や「野球肩革命所」の記事を拝見していると、「野球界」もとうとう変革の時期に入ったのだなと感じます。
野球選手だけではなく、スポーツ選手全般において、勉強するのが苦手な人が多いのか、自分の「身体」の勉強を行いません。
しかし、冷静になれば、「スポーツ選手」が「身体」のことを知ることは勉強というよりも、パフォーマンスを高める上で最重要なポイントだと思います。
そういった記事も見受けられるので、野球選手にとって価値ある記事だと思いますし、他のスポーツ選手も勉強になるようなものばかりです。
さいごに
今回は、日本のスポーツ界において「野球」のライバルとも言える(もはやライバルと呼んでいいのか怪しい・・・)「サッカー」関係者である「奥村」さんにお話しを聞かせて頂きました。
「サッカー界」から見ても「古臭い」イメージが付きまとう野球界だということが再認識できました。
また、同じ「怪我」に対する「治療方法」でも「野球」と「サッカー」では、「考え方」や「アプローチ方法」が異なるということが分かりました。
改めて感じたことは、野球界の「指導者」にも「ライセンス制度」を設けて、ある一定水準の「知識」や「教養」を持った指導者が指導に当たる仕組みを作ることが必須だと思います。
昔から検証されずに続けられてきた練習が、純粋な子どもたちに押し付けられる形で指導されていることに、どうしても違和感を感じずにはいられません。
「野球界」という狭い世界だけにとらわれず、また「日本」という狭い世界にとどまらずに、広い視野をもって「練習」や「試合」に臨んでいくことが大切だと再認識することになりました。
皆さんはサッカーのことだからと言って目をそむけてしまいますか?
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