野球選手にとって必要なトレーニングとは何なのか? ~プロレスリングNOAH/金丸義信氏インタビュー~

金丸義信氏(現役プロレスラー)に聞く野球選手に必要なトレーニング

野球選手が「トレーニング」について考えると、一に「筋トレ」、二に「筋トレ」・・・というぐらいすぐに「筋トレ」をイメージしてしまいます。

しかし、人間の身体の構造を少し勉強すると、これ程浅はかな行動はありません。(『上手くなりたきゃ筋トレをサボれ??!』)

今まで「takebat.com」において何度も記し続けてきたのにも関わらず、まだまだ無意味な「筋トレ」を行う人が減りません。

そこで本日は、「筋肉」のプロフェッショナルに話を聞きに行こうと、プロレスリング・ノアに参戦している「金丸義信」氏に連絡をとってみました。

するとなんと・・・

インタビューに出演してもらえることになりました!

身体を使うためのトレーニングとしては「プロレスラー」の右に出るものは、そうそういないでしょう。

しかも、「金丸」氏は高校時代に野球をやっており、甲子園出場経験もあるという、インタビューをする方としては最高の方ではないでしょうか。

野球界の練習を経験し、現在20年以上もプロレスラーをやっているという観点から学べることはたくさんあります。

やはり、野球の常識はスポーツの非常識ですよ。では、ご覧ください。

語り手:金丸義信氏(プロレスリング・ノア)
聞き手:大竹一彰(株式会社ADLIFE)

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野球選手には野球選手に必要な筋肉の付け方がある

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-プロレスラーの立場から野球選手のトレーニングに関してどのように思われますか。

まず、「野球選手」は「野球選手なりのトレーニング」を考えることが大切だと思います。

「競技特性」というか、野球選手としての「パフォーマンス」を上げるためにはどうしたらいいかを考えることが重要なんじゃないかなと思います。

「野球選手」がやっている「トレーニング」にも効果的なモノがあるとは思いますが、「プロレスラー」や「格闘家」とは必要な筋肉が違います。

そのため練習方法がとても似てしまっている実状は、野球選手にとってもったいないことだと思います。

野球の場合は「筋肥大」させるというよりも、「筋持久力」の向上を図る方がいいと思います。

前にあるプロ野球の有名選手が、結果を出すための「トレーニング」の秘訣についてテレビで語っているの見ました。

その時に彼は、

「スクワットが結果を出すポイントだ」

と言っていました。

しかし、これは本質ではないと思うんですよね。

たまたま彼には、その重さが良くて、その他の環境などが合っていただけで、最大のポイントではないと思います。

それを本能的に嗅ぎ分けたのかもしれませんが、本人が本当に「スクワット」がポイントだと思っているのであれば、「たまたま」だと思います。

仮にこの話を見ていた指導者が、この話を鵜呑みにして、選手達に指導しているのだとしたら、間違った指導をしてしまっていることになりますね。

-野球界は一流選手のトレーニング方法をとりいれたりすることが多いのですが。

それは危険なことだと思いますね。

人それぞれにあった「トレーニング」方法というのが必ずありますからね。

同じプロの間でも適した「トレーニング」というのは違ってきます。

どんな競技においても、アマチュアの選手というのは、すぐにプロの選手の真似をしたがる傾向にありますので注意してほしいと思いますね。

「トレーニングの本質」、「人体の本質」を知らなければ、「パフォーマンスの向上(つまり結果をだす)」という面において、あまり意味をなさないと思います。

むしろ怪我や故障をしてしまって、プレーできない時間をつくる可能性が高くなることが心配です。

休んでしまうことは、今までの苦労を水の泡にする行為なので。

野球選手にとって必要なトレーニングとは肥大させるのではなく「筋持久力」を高めること

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-野球選手はどのようなトレーニングをするといいと思いますか。

野球選手というのは長時間の練習を毎日行い、試合時間も長いので

「持久力が向上するようなトレーニング」

を多く取り入れるべきだと思いますね。当然ながら、ベースとなるパワーがあることは大前提ですが。

打者で言えば、シーズン通してスイングスピードを落とすわけにはいかないし、投手であれば年間通してバテないことが大切ですよね。

そのためには筋肉を肥大させるのではなくて「筋持久力」を高めるようなトレーニングをする必要があるでしょうね。

そう考えていけば、皆が同じトレーニングをするということはベストとは言えなくなってきます。

個々の特徴をとらえたトレーニングが必要になり、その特徴を見極める指導者が重要になってきます。

後、気になることで言えば、野球選手が節目節目で行う「キャンプ」について不思議に思うことがあります。

オフにたくさん身体作りをしても、せいぜいシーズンインして数週間しか持たないのではないでしょうか。

だとしたら、コンスタントにシーズン通してトレーニングできるメニューを考えた方が、よっぽど1年間戦い抜ける身体が出来ると思います。

野球選手には自分で考え、自分で検証し、模索し続ける必要がある

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-これからの野球選手に何か一言も頂けませんか。

自分で考えて、自分で検証して、よりよい方法を模索し続けることが大切なんじゃないかと思います。

これは、野球選手だけに言えることではありませんが、自分で考えられる選手というのはプロにも少ないのが現実です。

野球界にも「たまたま才能があったからなれただけでプロになれた」なんて人がいらっしゃるかもしれませんね。笑

そういった選手であったとしたら、選手生命は短くなってくるでしょうね。

どんな競技であれ、長くやっていこうとすれば「自分で考えること」が絶対必要になります。

その点で言えば、この「takebat.com」なんかすごく面白い視点で書かれていると思って読ませてもらってますよ!

練習を自分で考え、検証し、より良い方法へと常に変化させていくために必要な情報が、「takebat.com」には充実していると思います。

きっと大竹さんが、野球選手としての社会人野球まで経験したこと、医療系の国家資格を持つこと、トレーナーとしても活動してきたこと、が生きているんだろうね。

理にかなった方法を、メディアとして発信していることはさすがだと思います。

自分も野球をやっていた時に「takebat.com」に出会っていたら今頃プロ野球選手になってたかもしれませんね(笑)

-プロスポーツ選手向けのパーソナルトレーナーという活動をされているとお伺いしましたが、具体的にはどのようなことをされているのですか。

そうですね。実際に数十名の一般の顧客がいて、スポーツジムの場所を借りながら活動しています。

今後は野球選手などの「スポーツ選手」のための要素を増やしていこうと思っています。

野球選手など一気にパフォーマンス上がりそうなメソッドがいくつかあるんですよね。

そして実は、2016年4月上旬に、三軒茶屋にパーソナルトレーニングジム「BODY RIGHT STUDIO」をオープンさせたんです。

そこではプロ野球選手やトップアスリートといった、その選手の競技にあったその人にあったトレーニングを伝えていきたいと思っています。

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長年トップアスリートとしてあり続けるために必要なこと

金丸選手は高校卒業後プロレスの道に入り、今年で20年目を迎えられています。

高校卒業後に20年間もトップに君臨し続けているということは簡単に行えることではありません。

肉体的にも、精神的にもしっかりしている証拠でしょうね。

「金丸選手」は幾つもの世界チャンピオンになっており、今でもプロレス業界を牽引する選手の一人です。

金丸選手は素早い動きの空中殺法などを得意としたファイトスタイルでしたが年を重ねながら徐々にファイトスタイルも変化していったようです。

本文からは漏れてしまいましたが、今回のインタビューで興味深いコメントしを頂いたのでご紹介します。

「年を重ねる毎にどうしても素早い動きができなくなってきた。しかしそれとは反対に、メリハリのある動きができるようになって、早い動きに”見せる”ことができるようになった。つまりテクニックによって早く動くように”見せられる”ということなんだよね。」

というコメントです。

これは野球選手にもかなりリンクする部分ではないでしょうか。

体力勝負ができる間はいいのですが、ある程度の年齢になると「テクニック」で補う必要があるということです。

というか逆に言えば自分で考えればテクニックでなんとかすることもできてしまうということです。

これは身長が低くても闘う方法があるし、足が遅くでも闘う方法があるというこです。

こういったことを臨機応変に出来るところはさすがトップアスリートです。

他のスポーツから見た野球界は非常に奇妙な所が多々あるようで、意味のない練習ばかりを繰り返しているように見えるそうです。

その原因は選手本人も、指導者も何も考えずに日々の練習を黙々と繰り返していることにあります。

野球選手である以上は、野球がうまくなることだけに集中して練習する必要があります。

金丸義信氏の野球選手にフォーカスしたパーソナルトレーニング

金丸選手は約4年ほど前から、パーソナルトレーナーとして一般人に対して個別のトレーニングを指導されていました。

そして4月上旬に、三軒茶屋にて「BODY RIGHT STADIO」をオープンされました。

このスタジオは、「ダイエット系」が中心のジムなんですが、この度「takebat.com」の取材ということで、無理言って野球選手向けのメソッドを提供してほしいと伝えたところ・・・なんと、

「tekabat.com」経由からの依頼であれば金丸選手本人による野球選手向けのセッションをリーズナブルに提供してくれる

というお話を頂けました。

モノは言ってみるものです。笑

場所が東京なので通うことができる人は限られるかもしれませんが、こんなこと滅多にないことなので超おススメです。

詳細については弊社LINEアカウントまでご連絡ください。

BODY RIGHT STADIOの詳細

住所:〒154-0004 東京都世田谷区太子堂2-6-1MJビル401

電話番号:03-6804-0394

HP:http://bodyright-studio.com/


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