固くすれば「不安定」 緩めれば「安定」
「固くすれば不安定 緩めば安定」という言葉を聞いて矛盾していると思いますか?
矛盾していると感じた方は野球界の無意味な常識に囚われてしまっています。
実は、決して矛盾していません。
野球選手を初めとして、アスリートの多くの常識の中では、固くした方が安定していると思っている人が大半です。
しかし、人間の身体の構造をみていくと、実はまったくの逆の現象が起きている部分があるってご存知でしたか?
野球で常識的に捉えられていることはスポーツ界では非常識なことがたくさんあります。
筋肉は固めると関節が不安定になる
人間の関節というのは、その周りの軟部組織にほとんどを依存しています。
筋肉や靭帯がなければ、動くこともできませんし、柔らかくなることもありません。
例えば、筋トレの中でも常に負荷がかかるような、チューブトレーニングを継続的に行っていった場合には、筋肉というのは徐々に固くなり始めます。
固くなると、神経的な反応が遅くなり、血液の欠乏が起こっていますので、分厚いゴム板のように硬い組織となってしまいます。
つまり、関節への衝撃に対する対応が鈍くなってくるということになります。
そうすると関節というのは不安定な状態になります。
これは、関節を右にずらそうと外的な力が働いた際、通常の筋肉であれば、すぐに反応して安定させるように働きますが、これが固くて反応が鈍い状態だと関節は外的な力に対応が遅れます。
つまり安定せずにグラグラした状態であるということです。
筋トレによって固くすればするほど、反応が鈍くなるため不安定性が高まるということになります。
反対に常に緩んだ筋肉の状態は、イメージとは反対に関節の安定性を向上させます。
関節周囲の軟部組織は、反応が良い状態となっています。
よって外的な力に対しての反応も良い状態になることで、関節は安定するということになります。
この「固くすれば不安定 柔らかくすれば安定する」という感覚をつかむことができれば、これからの練習の内容は大きく変化していくことでしょう。