野球界の練習は何十年も変わっていない
野球選手の練習内容の基本とはなんでしょうか。
「アップ」、「キャッチボール」、「トスバッティング」、「ノック」、「フリーバッティング」、「ウエイトトレーニング」、「ダウン」、という様な流れが基本でしょうか。
しかし、これに私はかなりの違和感を感じます。
また、
この一連の内容を連日続けていることに違和感を感じないという状況
にも違和感を感じます。
もちろん、練習に基本はあってもいいと思います。
とはいえ、細かな変化はあったとしても、上記の方法は半世紀以上、さらにはもっと行われ続けてきたことです。
社会では、様々な事柄に関して日々進歩しているにもかかわらず、全くもって変化のない世界に進歩はあるのでしょうか。
野球の練習に関して、私は選手としても、スタッフとしても関わった経験があります。
そこで経験したことは、ほとんどオリジナルの練習などはなく、「自分がやってきたことの押し付け」もしくは、「色んな誰かから言われたことの押し付け」が大半です。
つまり、「押し付け」しかない、トップダウンの練習ばかりです。
自ら選手のためにあった方法を考え、伝えていくことをせず、さらに悪い状況では、伝えようとした人を排除する傾向にあります。
こんなことをしていては、選手が伸びるはずがありません。
野球界の変わらなければいけない現状とは
素質のある選手はたくさんいる中で、結果が出ないのはどうしてでしょうか。
もちろん選手の性格もあるでしょう。
しかし、体を動かす能力は高いのに、性格的に自分を出せなくて埋もれていく選手をたくさん見てきました。
そういった選手のパフォーマンス向上をサポートできなかったのは、当時の私たち指導者の責任だと思っています。
また、大学や高校で野球留学を受け付けているような所では、経営的な判断のみで選手を集めるだけ集めて、後は運しだいのようなチーム作りをしているような所すらあります。
こういったことに利用されてしまっては、選手本人からすればたまったものではありません。
純粋な心が、経営という罠にはまるからこそ素質を潰してしまいます。
ある意味仕方のないことかもしれませんが、今後の野球界を発展させるには放置していてはいけません。
とにかくハードな練習をさせて、そこからたまたま生き残った選手を利用するような業界ではいけません。
指導者が適切に考えていれば、故障せずともよかった選手なんていくらでもいます。
故障しなければ大輪を咲かせていた選手なんでいくらでもいます。
「指導者だって色々考えてやっているから余計なことを言うな」という意見も聞こえてきそうですが、何も考えていない証拠に、何十年も練習内容が変わっていません。
もちろん、本気で様々なことをチャレンジしている指導者もいらっしゃいます。
せめて動かないのであれば、こういった指導者の邪魔をしないで頂きたい、むしろ背中を押して環境を整えて頂きたいと切に願います。
指導者のためではなく、これからの野球界、これからの未来をもった選手のために。
野球界が変わる上で一番大切なこと
と、ここまで指導者批判的な内容になってしまいましたが、一番考えなくてはいけない人物は
選手自身
であることは間違いありません。
本当におかしな状況なら自分で考えなくてはいけません。
世界のトップまでに上り詰めたといっても過言ではないイチロー選手は高校時代に「サボって」いたわけです。
どんだけ周りから言われていようが最後に責任を取らなければならないのは選手自身です。
常に最後の選択権は選手自身にあります。
自分で考え、自分で情報を集めて、自分で検証しなければいけません。
どれだけ科学的な証明が出ていても、人間の身体は十人十色であなたに当てはまるかは分かりません。
そもそも人間の身体は科学しきれていません。
そんな中で、科学的証明を根拠にやっても確率論のハナシで、当てはまる可能性が高いだけです。
あなたにあった方法はあなたにしか探せません。
とはいえ、決して指導者を無視しろと言っているわけではありません。
指導されることをきっかけに、自分で検証し、模索する必要があると言っているわけです。
そして指導者は、押し付けるわけではなく、その選手を全力でサポートできる環境を作ってあげることで業界は変わっていくと思います。
これからの練習は指導者がきっかけになり、選手側から変えられるボトムアップの形を創ることができれば理想的です。
それだけの情報は世の中に転がっています。
「takebat.com」のLINEアカウントまでご連絡頂ければご相談にも乗ります。
ただ、何度も言うように自分で考えることは辞めないでください。
質問が現在も多数寄せられているので全ての方に返信できるわけではありませんが、質問内容を見ていても「考えている人」と「考えていない人」の差は歴然です。
ぜひ「自分で考えること」を忘れないでください。